2020年8月27日木曜日

グルーチップグラス(膠ガラス)&ウォーターギルディング・(その2)

グルーチップの作業を終え、次はウォーターギルディングの作業に移ります。

以前サイズと呼ばれるノリを筆でガラスに塗り金箔を貼ると言う方法は紹介しましたが、今回は水に溶かしたノリ代わりのゼラチンを使う技法です。水の表面張力を利用した金箔の貼り方で、ゼラチンを溶かした水をガラス表面に薄く張り、その上に金箔を乗せ、表面張力によって金箔をガラス表面に隙間なく吸着させ鏡面のような状態にすることが出来るのです。



まずはガラス表面の脱脂と汚れをきれいに取り除きます。トライアルキットに付属していた「GLASS POWDER」を使用しましたが、市販の脱脂剤などでも良いと思います。



こちらが今回使用する「WATER SIZING」と呼ばれるゼラチンです。
500ccの熱湯に菱形2枚分を入れ、良くかき混ぜて溶かします。粘度も感じられないシャバシャバの状態ですが、これでいいようです。



刷毛にその熱湯を含ませ、ガラス表面に塗ります。濡れている状態のガラス面に慎重に金箔を移していきます。



作業に夢中になり、途中経過の撮影を忘れていました。
貼り方を何度か失敗してしまったおかげで、少々シワが多めに入っていますが、乾燥させるとシワもほぼ消えて無くなりました。



丸一日乾燥させ、裏側を金色の保護ペイントを施します。



こちらが完成品!
サンドブラストやグルーチップされていないガラスの縁と「A」の縁は見事に金箔が鏡面になって輝いています。

今回チャレンジしたグルーチップ&ウォーターギルディングで、ただの透明なガラスをここまで高級感のあるガラスに変身させる事ができます。

せっかく覚えた技術なので、次はサインドブラストの番手とグルーの割合を変えて模様の変化の実験をしてみようと思っています。

2020年8月24日月曜日

グルーチップグラス(膠ガラス)&ウォーターギルディング・(その1)

 以前購入したグルーチップ&ウォーターギルディングのトライアルキットを使ってみました。

グルーチップグラスとは日本語では「膠(にかわ)ガラス」と呼ばれるもので、ガラスの表面に凸凹模様が入っているガラスです。


これが膠です英語では「HIDE GLUE」と呼ぶようです。画材屋さんで購入することが可能です。


トライアルキットなので初めから文字がマスキングされた状態で届きました。サンドブラスト加工された白い部分にグルーが乗ります。ガラス表面の細かな凹凸に入り込んだグルーが乾く際の収縮でガラスの表面を割りランダムな模様を作り出すのです。


グルーを湯煎する前に、グルーを水に30分ほど浸してふやかしておきます。先に浸しておくとダマになりづらく均等に溶けやすいです。トライアルキットの説明やYouTube動画などにもありましたが、グルー1:水1.5〜2.5と言うのが基本。割合によって模様の大きさが変わるようです。グルーの温度は60℃から70℃。低すぎると硬化がすぐ始まり、高すぎると粘着力が下がるので、温度はしっかり管理しましょう。


適切な温度になったところで、ボトルに入れ替えガラスにグルーを塗っていきます。この際、グルーが均等に広がるように、出来るだけしっかり水平をとることが大事です。


約1時間後、マスキングしている部分に沿ってカッターで切れ込みを入れていきます。割れがマスキング内まで入り込むのを防ぐためです。


その後、扇風機を当て続け十分乾かします。グルーは湿気を吸いやすいので、エアコンやヒートランプなどを使用してとにかく乾きやすいドライな状況を作りましょう。


乾いた状態がこちらです。バリバリに割れたグルーを剥がすと…



このような状態に!一部割れの弱い部分もありましたが、毎度のことながら、初めてなのでこれで良しとします。(笑)



文字の部分を黒でペイントして一旦グルーチップグラスの出業は終了。

次回はウォーターギルディング作業に入ります!