とんでもないものを見つけたと、少々興奮気味に見せてくれたものがあります。
それがこちらの振り子時計。
実家の工場が移転する前に使っていた時計で、
移転の時から考えれば、かれこれ最低でも35年は
倉庫の中でひっそりと寝ていた事になります。
約35年ぶりに再会したこの時計、気になって色々と調べてみることにしました。
まずは実際にゼンマイを巻いてもまだ動くのかの確認です。
振り子の窓を開けると、中にゼンマイを巻く用の鍵が入っています。
その鍵を使って文字盤に空いている鍵穴2個に鍵を入れ、それぞれをゆっくり巻き、
振り子を揺らしました。
するとしっかり「カチ、カチ、カチ」と時計は動き始めました。
「おぉーっ!」
ちょっとした感動です。
時計の表面を見てみると、どうやら津軽塗が施されているようです。
印刷なのかとも思いましたが、こんなかなり古い時計の時代に津軽塗のような模様を
印刷できるような技術があったとは思えませんし、
実際時計の横には、この模様に使われている漆の垂れたような部分も確認できたので、
間違いなく津軽塗で装飾されているようです。
文字盤には桔梗の形の中に「T・K」の文字が。
「哲哉・小室?」、な訳ありません。
振り子の後ろに何やら文字が書いてあります。
EIGHTDAYS ○?CLOCKS
Designd for offices Halls Depots
Shools an article suited to any public
place and of a quality not to be
obtained elsewhere. A full supply bath
silent and striking constanty on hand.
NAGOYASHOJI CLOCK & Co
この時計が名古屋商事株式会社製だということが分かりました。
早速検索をかけてみました。
明治20年に創業した時盛舎(林時計)という会社が前身で、
その後、発展改称し名古屋商事株式会社になったようですが、
昭和22年に廃業したようです。
詳しくはここをクリック。
しかも文字盤にあるトレードマークの商標登録の記録から、
昭和5年4月16日に登録された事が分かりました。
昭和5年(1930年)から昭和22年(1947年)の
間にこの時計が作られたものだと製造時期が絞られてきました。
爺さんが会社を創業したのが昭和16年(1941年)。
購入したであろう時期と製造されていた時期が一致しました!
この名古屋商事が廃業した年から計算しても今年でちょうど70年。
最低でも70年前の時計だということが判明しました。
会ったこともない爺さんの代から、父親、おいらたち兄弟の代、そして甥っ子姪っ子の代へと
4代に渡って再び目を覚まし時を刻み始めたこの振り子時計。
ゼンマイ式というアナログ式だからこそ起こりえた復活だったのではないでしょうか。
自分の手でゼンマイを巻くことで初めて刻まれる時間。
時の流れも一味違う気がします。
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